時と場合によっては、顧客のファンドマネジャーとともに夜のちまたに消えていく。
金融商品の構造が複雑化する今日、機関投資家のニーズにあった資金運用のためのプロダクトを提供しようとすると、株式や債券だけ、というような単純な商品ではとても対応できない。
株式に債券、為替や商品など、いろいろなものを組み合わせ、値付けを決める必要がある。
加えて、顧客からターゲットレートがあらかじめ告げられることも多く、マーケットが動いて株価がこのポジションにはまったとき、すかさずオファーを出すタイミングが成否を分ける。
成績さえ残していれば、マーケットが閉まった3時過ぎには仕事を終えてもよいのである。
トレーダーに求められる資質は、世の中で起こっている断片的な事象を統合して、その原因や次に起こる事柄を想定し、断片を1つのストーリーに組み立てる力である。
トップトレーダーといわれる人は、一見、勘で当てているように見えるが、現象から次の大きな流れを読む力が備わっているのである。
まぐれ当たりは続かないものだ。
さらに、売り買いにおいては瞬時の判断力が求められる。
U田氏は、「大事なのは、損が出たときに思い切って損切りができる冷静な判断力です。
なんとか取り返そう、市況が戻るまで待とうとして取り返しがつかなくなる人が多い。
自分の判断を客観的に見られる人が大成します」と語る。
トレーディングにおけるリスクの質の変化とともに、トレーダーに求められる資質も変化している。
かつては相場が上がるから買う、下がるから売るという方向に対するリスクであったが、いまでは商品市場間、時間差での裁定取引、アービトラージの世界に移っている。
マーケットのプライシングのひずみを読める力が問われるようになっているのである。
蛇足証券会社や投資銀行でトレーダーを経験し、大当たりに気を良くして独立して自滅する人も多い。
投資銀行のトレーダーは、物理的に隣の席にセールスマンがいて、顧客企業の売り買いの注文が聞くとはなしに聞こえてくる、という、マーケットの動きを先取りできる環境にあった、という利点に気づいていない人だという。
プロダクトディベロップメントに求められる資質は、デリバティブ的な仕事がどれだけあるかによって違ってくる。
もちろん、複雑な金融商品についての知識、数学的センスは必要だ。
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